コロナ疲れ・Zoom 疲れ

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視線にさらされる

あさ心理室

 Zoomでは 同時に参加できる人数が多いのも人気の理由の一つです。
ギャラリービューを使うと 一度にたくさんの人と対面することになりますから、
通常の会議とくらべて、多くの人の顔、表情が一度に目に入ってきます。
多く正面映像が目に入ってきます。
仕切られた箱の中に二つの眼があり、こちらをじっと見ているわけです。
そしてその箱が、いくつも並びます。
30名の会議なら、30×2=60、60個の目が こちらを凝視するわけです。

 京都大学総長の山極先生は霊長類の研究者ですが、
「ニホンザルは顔をみつめると 威嚇されていると感じて 逃げるもしくは攻撃をする」
という話をされています。
動物園の例をあげられ、「猿の顔を見つめないでください」と書かれているのは、
猿に過度なストレスを与えないためとも。
猿だけでなく人にも 多少なりそれは当てはまるように思います。

 

 心理カウンセリングでも緊張感の高い人の場合は、
椅子の位置を対面ではなく90度にするように配慮することがあります。
精神分析の創始者であるフロイトは、寝椅子にクライエントに横たわってもらい
その背後の位置に自らは座り話を聞くという分析の設定を考えました。
フロイト自身、患者の視線にさらされ続けることは
耐えられないということも言っています。

 そのようなことを思い巡らせてみると、
いくらなんでも、ズーム会議で60の眼に凝視されるのは、耐えがたく、
緊張感のある設定のように思えます。
ズーム会議は疲れるはずです。

 さて、『モナリザ効果』というものをご存知でしょうか。
ルーブル美術館でモナリザの前に立つと、モナリザに見られているように感じるといわれ、
この現象を『モナリザ効果』と呼びます。
混み合っている中で斜めから見てもモナリザは自分を見ており、
さらには多少移動しても モナリザの目は自分を追いかけてくるように見える
と言われています。

これは根も葉もない噂話ではありません。
知覚心理学の中に 視線知覚 という研究領域があり、
心理学実験法で研究されているテーマの一つです。
この領域の代表的な研究者である東京大学の佐藤隆夫先生によると、
『モナリザの微笑み』だけではなく、
正面を向いている顔の絵画や写真でも 同様の効果が生じるとされています。
しかし、正面を向いている本物の顔では このようなことは起きないようです。
さて、Zoomの前に座ったあなた、
画面の人の目はあなたを追いかけてきますか、きませんか。いかがでしょうか

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