うつ病 3

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軽症うつ      --- 軽そうで容易には改善しない      2019. 8. 25

本人は苦しんでいるのに重苦しさを感じさせないうつ
薬や休養では容易に改善されず医者泣かせのタイプ
あさ心理室

軽症うつ

 「うつの舞台」の中で豊嶋先生は、
形成因といわれる原因によりうつを2つに分類しています。
心因に相当するものと器質・内因に相当するものの2つです。

 器質・内因に起因するものとしては、
内因性うつ病、躁うつ病(双極性障害)が代表的なものです。
病態を作る原因に直接的に関わる生物学的治療が第一に求められます。

 一方、心因といわれるもの(こと)は、
これまで生活してきた環境やこれまでの出来事の影響を受け、
またそれにより形成されたパーソナリティの問題が影響しているものがあります。
環境の変化に適応がむずかしい、急性のストレス下でうつ的な心理状態に陥る場合も
これに入ります。

治療法としては、適切な環境調整や心理療法が重要になります。
この心因性のうつを、抑うつ反応、抑うつ神経症、適応障害とよぶこともあります。
ひと昔前なら「精神病」というイメージがあったものが、
「誰でもなりうる病気.状態」として、「軽症うつ」とよばれることがあります。

新型うつ

 軽症うつと類似している言葉として、「新型うつ」というものがあります。
ここ数年、この用語が使われることがブームでした。
今までのうつ病とは少しタイプが違い、軽いノリのうつという意味合いで、
よく取り上げられていました。
この「新型うつ」という言葉は、実はマスコミ用語で、
精神科医が新型うつという診断名をつけることもありませんし、
臨床心理学的にもこのような表現は使いません。

 従来のうつとは少し違い、本人は実はたいへん苦しんでいるのですが、
一見すると、さほど重苦しいムードを感じさせません。
仕事には行けないが、趣味のゴルフには楽しそうにでかけていく。
本当に病気なのだろうか、その割にはいやに明るく、
自分の気の向くことは楽しそうに取り組んでいる。
もしかしたら詐病ではないか。
このように、上司や家族から疑いの目で見られてしまうこともあるようです。

こういう人たちは、ストレスに弱く、一見すると軽そうに見えるけれども、
薬や休養では容易に改善をされず、ぐずぐずと長引く医者泣かせのタイプともいえそうです。

SSRIと心理療法

 斉藤環先生によれば、SSRIという画期的なうつ病を治す薬が導入され、
皮肉なことに、先進諸国においてうつ病人口がむしろ増加したという
逆説的な事実があるようです。
1988年、SSRIと名付けられた爆発的な売り上げを誇り、
「この薬を飲めば、元気が出てばりばり仕事ができる」という
コマーシャルで売りだされました。

 しかし、この薬の効果について、
軽症うつに対しては、プラセボとの差が明確ではないという研究結果が報告されています。
確かに、それまでの抗うつ剤と比べて副作用が少ないので、
治療の滑り出しとして薬を使うことが楽になり、ある程度症状が軽くなるケースもあります。
しかし、うつの本質を治癒する力がそれほどあるわけではない、
と話される精神科医もおられます。
世界生物学的精神医学会は、軽症のうつに対しては心理療法が推奨されるとしています。

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