うつ病 4

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心理療法とうつ      2019. 9. 28

認知行動療法は必ずしも万能ではない。                    
膠着した鬱には別の心理療法も良いかもしれない。
あさ心理室

認知行動療法の成果

 精神科医による薬物療法と環境調整に加えて、
認知行動療法が成果を上げているといわれています。
2016年に 日本うつ病学会がうつの治療に関するガイドラインを発表しています。
そこでは、支持的な心理療法や心理教育、更には認知行動療法の有効性が強調されています。
また、精神分析的心理療法の効果は限定的であるとも記されています。

 認知行動療法では、現実に対しての受け取り方やものの見方、つまり「認知」を変えていくことで
ストレスに対しての対処がスムーズに行くように促す療法です。
この方法で一定の成果を上げる場合もたくさんあるようですが、
なかなかよくならず膠着するケースもあります。

 このような難治のケースや、
とりあえず少し気分が持ち上がって何とか社会適応ができるようになったけれども、
こころの奥深いところでは、まだなにか鬱々としたものが燻っていることもあります。
その人のパーソナリティの本質的な問題にアプローチすることができる方法として、
精神分析的心理療法があります。

精神分析的心理療法

 最近、特に海外で、長期の精神分析的心理療法や精神分析が、
うつがすっきりよくならず停滞状態になっている人たちに
有効であるというエビデンスが示されるようになってきています。

 2015年に World Psychiatry の誌面に掲載された TADS というプロジェクトで
精神分析的心理療法の有効性、そのエビデンスが示されました。
この論文では、129名の治療の進展が思わしくなく膠着状態におちいっているうつの患者に対して、
ランダム割り付けて調査されています。
この調査研究では精神分析的実践がされた場合に、顕著に優位な結果が見られています。
さらには治療終了後、2年、3年と時間が立っても持続的に効果が見られています。
むしろ、心理療法終了後年数が経つほど効果が増す場合があり、このような持続的な効果は、
認知行動療法よりも優れた特徴といえるでしょう。

精神分析的心理療法によってもたらされたパーソナリティの変化の結果として、
終了後もさらに適応が改善していき成長が促進されていく可能性があります。
この方法は、クライエントが
 今までの人生、生い立ちから今に至る道筋を振り返り、
 自分自身が切り離して見ないようにしていた新しい自分と出会い、
 新しい人生を獲得していこうとする
ことを援助していくものです。

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