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「 助けてが言えない」心理職

精神分析的カウンセリング なら  あさ心理室    名古屋・愛知県全域、岐阜・三重

2023.12.29

あさ心理室

心理・対人援助職に必要なケア 
      - 個人セラピー・カウンセリング -

 さまざまな領域(医療、福祉、司法、学校、産業など)で
心理支援をしている心理職(臨床心理士、公認心理師)は、
支援の現場でたいへん深刻な話を聞くことがあります。
悲惨な養育環境、虐待、いじめ、ハラスメント。
深刻なトラウマ体験。
このような状況に耳を傾けて真剣に援助に取り組むが、
頑張れば頑張るほど こころが疲弊して
すり減っていく場合があります。

また、悲惨な状況を耳にする中で共感するあまり
支援者自身が同じような目にあったような
こころの痛みを感じてしまうこともあります。
支援者は心身ともに痛手をこうむることがあります。

 自分が体験したわけではないのに、
話された残酷で悲惨な情景が
頭の中でぐるぐる回って こびりついて離れない。
強烈な印象が続き過覚醒になって睡眠が浅くなる。
悪夢を見、怒りや抑うつ感情などが沸いてくる、
疲労感やイライラした気分などです。
このようなことはよく耳にする話です。

 こうした現象を「代理受傷」ともいいます。
支援者がトラウマの話を聞くことで
自らも二次的にトラウマを受ける、
職務上、間接的ではありますが、
トラウマに曝露されたといえるでしょう。
さらに 自らも過去に外傷的な体験をしてきた場合に、
今まで心に蓋をしていたこと、
忘れたつもりだったつらい体験が
よみがえってしまうこともあります。

     

 トラウマ治療の専門家である亀岡智美氏は、
その著書の中で
「我が国の一般人口の約6割が
最低一つのトラウマとなる出来事を体験している。
だから 支援者の中にも過去にトラウマとなる経験を
持っている人達が存在しているはずである。
これらの過去の経験を未整理のままでいると、(省略)
支援をしている際に生じる様々な刺激が引き金になり、
その人の過去の体験の辛さが蘇り、
トラウマに関連する反応が引き起こされることがある。」
と書かれ、
支援者へのメンタルケアの重要性が強調されている。
 また同様のことが、PTSD治療の専門家である
飛鳥井望医師による著書の中にもあり、
その必要性が述べられている。

 支援者の置かれた労働環境が
深刻で厳しい場合には
特に問題が深刻になる場合もあります。

     

 自分が 支援者として無能なのではないかと
自分を責めて 無力感に陥ってしまう場合もあります。
「助けてが言えない」ことがあります。
一人で問題を抱え込んでしまうことは
折角の専門家としての力を
発揮できないことになります。
 職場の同僚・先輩など同業者仲間との連帯の中で
癒やされてエネルギーをもらう場合もあります。
 しかし、おかれた職場の環境によっては
同僚や組織のメンバーに相談することが
難しい場合もあります。
ご自身の過去の体験などは
職場で安易に自己開示できないと思う場合があっても
全くおかしなことではありません。

 こうした時に、
同じく心理の専門家の支援を求めることは
恥ずかしいことでも ダメなことでもありません。
支援者のメンタルケアは
セルフケアだけでは限界があります。
心理職、支援者自身が
助けてを伝える勇気を持ちましょう。
こうした時に
個人セラピーが お役に立てる可能性があります。

 亀岡智美編(2022)
 実践 トラウマインフォームドケア
 さまざまな領域での展開 日本評論社

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